【共同親権】共同親権の是非議論【子供に会いたい】

離婚後は父母のいずれかしか親権が持てない「単独親権」制度。
親権者によって面会などが制限され、最近は新型コロナウイルスも影を落としています。

 

2021年2月10日、東京の霞が関の法務省前に全国から約150人が集まりました。
次々とマイクを握っては離れて暮らす子供への思いを訴え、手には「子供と会いたい」などと書かれたカード。
参加者の大半が離婚などの事情で別居する親たちです。

 

コロナ禍での外出自粛などを理由に、面会中止を告げられることもあります。
「子供に自分が忘れられてしまいそう」と嘆く親も。

 

この日、法務省では法制審議会の総会が開かれていました。
法相は、離婚に伴う養育のあり方に関する法制度の見直しについて諮問、「子供を第一に考える視点で幅広く、実態に即した検討をしてほしい」と求めました。
離婚後も父母双方が持つ共同親権導入の是非もテーマに含まれます。

 

「共同親権」はいまだ慎重論も根強いですが、国も議論を始めています。

 

共同親権の今

明治期に民法の法体系が確立した日本では家父長制の影響で、戦前は父親に親権がありました。
戦後は父母どちらかに親権を認める単独親権が採用されました。
2011年の民法改正で面会交流は子の利益を最優先する内容が盛り込まれましたが、両親の確執から守られないケースも多くあります。

 

海外ではかつて単独親権が主流でした。
しかし、子育ては父母が平等に担うものとの考え方が浸透して共同親権が定着するようになりました。
法務省が2020年に公表した調査では、20ヵ国(G20)を含む24ヵ国中22ヵ国で共同親権が法的に認められています。
近年は日本の制度への批判も強まっているようです。

 

共同親権下で父母の対立が続けば、子供が混乱して不安定になるとの懸念も根強く、DVや虐待などの懸念から面会交流の促進にも慎重な意見もあります。
2020年2月には単独親権は憲法違反として男性が損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁が、「父母のうち、より適格な者を親権者に指定する規定に合理性はある」と合憲の判断を示しました。

 

そのような中で、離婚前後の家庭を助けるため、面会交流の支援団体が相次ぎ発足しています。

 

年間約20万人もの未成年が両親の離婚を経験しています。
夫婦が等しく子育てに参画するという考えが常識になりつつありますが、制度がまだ追いついていない状況と言えます。

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