共同親権はどう進むか?法務省の議論は?

気になる「共同親権」ー。
今後どのように議論が進んでいくのでしょうか。

 

私も離婚する際、かなり「共同親権」を意識しました。

 

子供の親権が元ヨメにもっていかれることはほぼ100%ということは離婚の前に分かっていました。
日本では、母親が不倫やギャンブル依存や虐待などの問題でもない限り、親権はほとんど母親にいきます。

 

共同親権が制定されて親権が得られれば、子への関わり方も増えると期待していましたが・・・時間的に諦めました。
多くの弁護士の方にも聞いてみましたが、やはり「共同親権はまだまだ」という意見しか返ってきません。
私も共同親権が制定される前提として、もっと枝葉の法整備やインフラ整備などが必要と感じています。

 

私はすでに離婚しましたが、仮に将来「共同親権」が制定されたときに、離婚後の元夫婦にも適用されるのかなど興味があります。
引き続き動向を追っていきたいと思います。
現在の動きをまとめてみました。(2019年12月新聞記事より一部抜粋)

 

「共同親権」を取り巻く国内外の動き

法務省は2019年11月中旬、離婚した親と子の関係について検討する研究会を設置しました。
ここで米欧諸国のように離婚後も父母の両方が子の親権をもつ「共同親権」が必要かどうかが議論されます。

 

現行制度に対して国内外から見直しを求める声が出ています。
2019年11月には親権を持てずに子供と会えなくなったと主張する男女12人が集団訴訟を起こし、養育権の侵害にあたるとして国に損害賠償を求めました。

 

さらに2019年2月には国連の「子どもの権利委員会」が離婚後の共同養育を認める法改正を日本に勧告、日本人女性が離婚後に海外から無断で子を連れて帰る事例が起き、欧米諸国から問題視されています。
これに対しては、国境を越える子の扱いを定めたハーグ条約への加盟を米国などに迫られ加盟、2014年に発効しています。
しかし米欧からは「問題は単独親権だ」という見方をされています。

 

国内では、子と同居していない親が子と会う「面会交流」の調停が増えているようです。

 

面会交流に関しては、具体的な規定が法律にはありません。
話し合いで決めることが前提となっています。

 

衝突が起きるのはこの「話し合いで決める」ところです。
父母の協議で決まらなければ、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

 

2006年度から面会交流に関する調停の申立件数が急増しており、約7千件から2018年は3倍近い2万件になりました。
20歳未満の子をもつ夫婦の離婚件数は同時期に減少傾向だったにもかかわらず、面会交流の調停は増えているのです。

 

離婚後に母親が親権をもつ事例は85%に上ります。
日本の司法は「母親に監護させることが子の利益になる」と判断することが多いのです。

 

近年は父親の育児参画が進み、昔より父親が子育てに参画したいと思うようになってきた傾向があります。
そのため司法判断に納得できず、調停の申立件数の増加につながっています。

 

共同親権を導入すれば解決?

とはいっても共同親権を導入すれば様々な問題が解決するというわけでもなく、
「父母が離婚後も子の養育に積極的に関わるようになることが期待される一方、子の養育について適時に適切な合意を形成することができないときは子の利益を害するおそれがある」と共同親権への懸念に政府は言及しています。

 

面会交流について言えば、共同親権に変えても、父母の合意がなければ面会交流は増えないという指摘があります。
単独親権か共同親権かに関わらず、面会交流の実施や頻度などは最終的には父母が協議して決めるからです。
逆に「子に会う」という目的は、現行の単独親権下でも対応できるという意見もあります。

 

これは私も実感です。
頻度など実施内容などはそれぞれの親の都合があり、遠方からの面会はそれぞれの負担も増えます。
法で一律決めるのはまず無理で、結局は話し合いになります。

 

父母の関係が悪ければ、子の面会や養育に関する話し合いをどこまでスムーズにできるかという問題があり、片方の親が何度も拒否権を行使すればいろいろな決定が滞る可能性が十分にあります。

 

共同親権への体制整備は?各国の研究から開始

法務省は外務省を通じて海外の親権の実態を調査していますが、設置した研究会も共同親権の導入を前提に議論を進めていくわけではないようです。

 

日本が単独親権のままでも参考にできそうな事例が米欧にはあります。
アメリカには面会交流を支援する民間体制が整っていたり、フランスには片親による虐待を防ぐための面会場などがあります。
共同親権を導入するか否かとは別に、民間の支援施設の整備や面会交流支援策を考えるべきという意見があります。

 

研究会の議論は2020年に本格化するようです。
結論を出す時期は未定だそうですが、共同親権を導入するか否かの判断はその後になるようです。

 

親の主張で子が不利益を被らないよう、子の視点を意識した慎重な検討が必要です。
私も人ごとではなく、離れて暮らす子供にとって最善の仕組みとなるよう願うばかりです。

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